圧巻の大団円にわたしたちは優しく包み込まれることになる

今週のお題「最近おもしろかった本」


絵本にしては珍しい絵巻仕立ての『かわ』。


『だるまちゃんと○○ちゃん』シリーズでおなじみ、加古里子(かこさとし)さんの作品です。


最初の一滴からはじまり、すこしずつ山を下り、人の営みを見守りながら、どんどんその水の量を増して流れゆく「かわ」。


精緻に描かれた自然、人々の生活や村、街のようすなどは子どもたちが世の中の事物に興味を持つきっかけにもなるでしょう。


最後にはハッと息をのむような光景が読む人の眼前に広がります。


本作は絵巻仕立てとなっているので、「かわ」の流れを一枚の絵のように眺めることができる壮大な作品です。

あまりにも長いです。文章ではなく本体そのものが。この絵巻物の迫力を存分に味わえるのは絵巻物広げ放題の学校図書館か、もしくはどこかの王族の宮殿くらいでしょうか。もちろん、長い廊下のあるご家庭にもおすすめです。


※ちなみに長いといっても全長7メートルほどですので、一般のご家庭でも全部広げて閲覧可能かと思います。


贈り物にも最適です。おそらく持っていないでしょうし、絶対喜ばれると推測します。自宅用には通常の絵本版もあります。


通常の絵本版